いつかたどり着く

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個人的「完結マンガ大賞2014」を発表する


『完結マンガ大賞2014』発表! グランプリは『東京喰種トーキョーグール(石田スイ)』全14巻 | ガジェット通信 GetNews


ガジェット通信でこのようなランキングが発表されました。
個人的には、「東京喰種トーキョーグール」が1位?となりましたが、誰もが納得するランキングを作るのは難しいのは理解しています。(ランキング形式で、オススメの漫画ベスト100を紹介する - いつかたどり着くの記事も結構批判されたし)


批判するよりは、あくまで「私だったらこれからな」という個人的ランキングを発表するのが一番健全かなと思ったので、個人的「完結マンガ大賞2014」を発表します。
元記事リスペクトということで、ルールは準拠。

金賞:謎の彼女X(植芝理一)全12巻


謎の彼女X(12)<完> (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(12)<完> (アフタヌーンKC)


あらすじ
普通の高校生の椿明と、クラスに転校してきた「謎」の少女卜部美琴との恋愛を描いた学園恋愛漫画。美琴が放課後の教室でうたた寝したときに机に残された唾液を明が舐めたことをきっかけに、二人の交流が始まる。間もなく明は美琴に告白し、「独創的」なアプローチを受け入れた美琴は明の彼女となる。美琴は、明が初めての性体験の相手になるとか、ゆくゆくは明の「謎」の妻になりたいというような言動をする一方で、普通に手をつなぐことや肩を抱かれることを拒否するなど独自の価値観を持っており、明を戸惑わせる。しかし禁断症状を予防するために美琴の唾液を毎日のように舐めるうちに、明は次第に美琴の考え方を受け入れるようになってゆく。また、明の親友である上野公平と付き合っている丘歩子に美琴が心を開くようになってからは、美琴も歩子の唾液を通じて、心を開くようになる。

コメント
私がアフタヌーンを購読するきっかけになった作品でした。よだれを舐めることで、互いを何よりも理解できるという設定にもうやられました。卜部は巻数を重ねるごとに、ビジュアル的に可愛くなっていきましたね。
卜部は外見の変化もそうですが、初期に比べ照れた表情を多く見せるようになっていったのもグッド。椿と卜部の距離が、縮まっていく過程がたまらなく良かった。


シチュエーションがたまに変態的で悶えました。写真越しのキスとか……もうお前ら普通にキスしろよ!
文化祭で、卜部にそっくりなアイドルと卜部を椿が見事に見分ける話が好きでした。強い繋がりを感じさせてくれました。彼女は彼氏のたった一人のアイドルなんですよね。
ラストシーンは、割とふんわりとしたものでした。でもなぜかそれが「腑に落ちた」のだから、あのラストで良いんだと声を大にして言える。
椿が見た夕焼けは、私もそこで見ているかのように思えるほどでした。

銀賞:彼女とカメラと彼女の季節(月子)全5巻

彼女とカメラと彼女の季節(5)<完> (モーニング KC)

彼女とカメラと彼女の季節(5)<完> (モーニング KC)


あらすじ
あかりは高校3年生になったばかり。新しくできた友人たちともうまくつきあい、表面的にはクラスに馴染んでいるように見えるが、なんだか心がここにない。そんなとき、同じクラスにいながらクラスの誰とも交わろうとしない美少女ユキと、彼女の趣味であるカメラを通じて仲良くなり……。

コメント
全5巻の中に、濃厚な物語が凝縮されていました。
ユキというキャラにはどこか透明な美しさがありましたが、段々と「生」と「性」を感じさせる展開にハラハラもドキドキもしました。
ヒロイン二人にスポットが当てられがちですが、この漫画が物語として綺麗に成立したのは凛太郎という少年がいたからこそだと思っています。少年らしい欲に突き動かされるシーンもありましたが、基本的に良い子過ぎて。。。


危うすぎるバランスの中で、それでも「さよならじゃない」と最後に物語を終えることができたのは、凛太郎が彼女らの手を離さなかったことだと思います。3人の関係性は、私程度の人間が安っぽい言葉でくくることはできない。
「想いの形」を色々と考えてしまう作品でした。本当に濃厚な作品です。


銅賞:NARUTO(岸本斉史)71巻まで既刊【2014年連載終了作品】

NARUTO -ナルト- 71 (ジャンプコミックス)

NARUTO -ナルト- 71 (ジャンプコミックス)


あらすじ
ここは木ノ葉隠れの里。忍術学校の問題児、ナルトは今日もイタズラ三昧!! そんなナルトのでっかい夢は歴代の勇者、火影の名を受けついで、先代を越える忍者になることだ。だがナルトには出生の秘密が…!?

コメント
ニワカと言われようと、今年の完結作品でNARUTOを挙げないわけにはいかない。
私が小学生の頃から読んでいた作品が、今年完結を迎えました。
私はカカシ先生がキャラとしては好きだったので、終盤にきてからの活躍は心が踊りました。写輪眼持ちの一族ではないにもかかわらず、写輪眼を使いこなすカカシ先生が好きです。
なんだかんだ、終盤のオールスター的な戦いは好きでした。歴代の火影はしかし強すぎるな。。。
テンテンの活躍がきっとあると信じていたのは私だけで良い。


やはり、小学生の頃のザブザとハクとの戦いは今でも覚えています。あの経験が、終盤でもナルトを形作る要素の1つというのが伝わってくるのが素晴らしかった。本当にお疲れ様でした。


4位:神のみぞ知るセカイ(若木民喜)全26巻

神のみぞ知るセカイ 26 (少年サンデーコミックス)

神のみぞ知るセカイ 26 (少年サンデーコミックス)


あらすじ
舞島学園高校に通う桂木桂馬は恋愛シミュレーションゲーム、いわゆる「ギャルゲー」が好きな高校生。その腕前から「落とし神」と呼ばれる彼は、ギャルゲーの登場人物である2Dの女をこよなく愛している。
そんなある日、桂馬の元に「攻略してほしい女がいる」というメールが届く。「無理なら絶対に返信しないように」という挑発的な文面に憤慨し何も考えずに返事をした途端、彼の目の前に空から1人の少女が舞い降りる。少女の名はエルシィ。地獄からはるばるやってきた悪魔だという彼女は、桂馬に「駆け魂」の捕獲を依頼する。その方法は、取り憑かれた人間を恋に落とし心のスキマを埋めること。現実の女性とは関わり合いを持ちたくない桂馬は当然断るが、先のメールに返事をしたことで悪魔との契約が成立していること、契約は解除はできず、自分とエルシィの命がかかっていることを知ると渋々承諾する。
こうして、ギャルゲー界の「落とし神」桂木桂馬の3D女性攻略が始まった。

コメント
神のみの最終回は、何とも不思議な気分でした。
ラブコメの最終回と言えば、主人公とヒロインが幸せそうな姿を見せ、それが未来でも変わらず続いていくことを予感させる最終回というのが大体のお約束です。


それに比べると、神のみの最終回は切なかった。
恋に敗れたものたちの話を、最終回に持ってくる。
やられた。本当にやられた。
神のみのないサンデーはとても寂しくなりました。。最終回の次の号を買って、神のみの大きさを私は改めて感じました。


私は好きなヒロインと主人公が結ばれないとちょっとうむむと思うこともある器量のなさですが、この桂馬の選択はむしろ納得してしまいました。
神が少年になる瞬間だった……ような気がしています。


昔書いた神のみ最終回記事
http://zelkova777.blog115.fc2.com/blog-entry-365.html


5位:タケヲちゃん物怪録(とよ田みのる)全7巻

タケヲちゃん物怪録 7 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

タケヲちゃん物怪録 7 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)


あらすじ
世界で一番不運な女の子・タケヲちゃん。
生まれてこのかた、幸福を感じたことがなかった
彼女がたどりついてしまった…あるアパート。
そこにはタケヲちゃんの「不運」を大きく揺さぶる秘密が!!?
とよ田みのるが紡ぐ新世代妖怪奇譚、ここに開幕!!!


コメント
私って世界一不幸な美少女とのたまっていたおジャ魔女どれみが口をつむぐレベル。そんな不幸なヒロインタケヲちゃんと愉快な妖怪たちといった作品です。
とよ田みのる先生の作品らしく、終始「暖かさ」を感じさせる作品でした。人間・妖怪関係なく、誰かを想う気持ちからくる熱が、作品を飛び出し私達の胸に確実に伝わってくるほどでした。
いつだって、とよ田先生の作品には暖かさと優しさが詰まっている。
とよ田ファンの私ですが、この作品で初めて経験したことはとよ田先生の描くヒロインの裸にちょっと滾ってしまったことです(笑)


個人的に、咲かなかった桜を命をかけて満開にするシーンが大好きです。あのシーンのために、単行本を買う勝ちがあります。
震えるくらい、胸に響きました。この暖かさは、オンリーワンです。


元記事は10位までつけていますが、このブログでは5位までとします。
その分、コメントに熱を込めたつもりです。
あの作品がないという意見や、ランキングに納得がいかないという意見は当然あると思いますが、「じゃあ私だったらこうする」ということで、何かしらの形でみんなが発表していけば面白いなあと思っていたり。


元記事より、納得のいかないランキングになってしまった気もするけど(笑)


作品が終わると、感慨深い気持ちになる反面、置いて行かれたような寂しさを感じることもあります。
けれど、そういう「読むと気持ちが動く」ような作品に出会えたことが、幸せなことだと思っています。


読み終わった後、この作品を読めて本当に良かった。そう思える作品に来年も多く出会えれば良いなあ。

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