いつかたどり着く

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少女の表情に、僕らは息を呑む。「吸いも甘いも」に痺れた

幼馴染からの告白、それは何と吸血鬼になってしまったというものだった。
助けを求める彼女のために奮闘するも、ヒトと怪物、二つのはざまで揺れ動く少女は――。

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そんな紹介文からページを開くと、1ページ目に少女のこんな姿を見せられる。
普通ではない。
少女の常軌を逸した姿に、一瞬で作品に引き込まれた。


紹介文の通り、この物語は吸血鬼になった幼なじみの少女と、少年の物語だ。


この漫画で魅せられるのは、少女の表情だ。
まずは泣き顔。
雨の中、他に頼るあてもなく少年の部屋を尋ねた時の彼女は、雨の中でもそれが「涙」だと分かるほど、大粒の涙を流していた。

次に求める顔。
冒頭のシーンもそうだが、彼女は吸血鬼ということもあって血を求めている。
本能を抑えようとしつつも、抑えきれない欲望が顔を出す。ゾクッとするような、ある種の官能さを感じさせるものがある。


そして、「人ではない何か」の顔に、僕らは息を飲む。


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一瞬で、幼なじみの少女が「人ではない顔」を持っていることを、少年と共に認識することになった。
本能のままに、血を吸おうとする少女の顔は、喜怒哀楽を感じさせない。
だが感情を感じさせないその表情こそが、「闇」を感じさせる怖さを生み、思わず息を飲んでしまう。


それでも、やけになりぎみな少女を見捨てず、無理やりにでも血を飲ませようとする主人公に好感を覚えた。


この少女は赤面力も高い。
血の直飲みを恥ずかしがったり、「精液」という単語に過敏に反応したり。


最後に、彼女はまた大粒の涙をポロポロとこぼす。
その1つ1つが、迫ってくるような表情で、ドキドキしてしまう。


寄り添う形はまだ分からない。
けれど、きっと寄り添える。そんな終わりが、心地良い。


なかなか味あうことのできない、少し放心してしまうような読後感だった。
webで読める読み切り作品なので、ぜひ読んで欲しい。

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