いつかたどり着く

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中学生の時から、ずっと。30歳女性の片想いを描いた「こいいじ」が面白くて困った

年を取るごとに、恋をすることに疲れてしまう。
漠然とそんなイメージを持っていた私にとって、こいいじは新鮮なマンガでした。

こいいじ(1) (KC KISS)

こいいじ(1) (KC KISS)

あらすじ
下町の銭湯「すずめ湯」の娘・まめは、子供の頃からずっと幼馴染みの聡ちゃんに片思いを続けている。聡ちゃんの妻・春さんが亡くなってから一年、まめの恋心は募るばかり。そこへ突然、まめの姉・ゆめが帰国するとの報が入り、胸騒ぎの予感です。
フラれても、フラれても、
あきらめられない、究極の片思い。


30歳女性。ずっと片想い。報われない片想い。
それでも、諦められない。
ピュアな想いに、胸を打たれました。

何度フラレても、どんなに辛くても、諦められない気持ち


主人公・まめの好きな相手は既婚者です。
いや、物語が始まる時にはそうではなくなっていましたが。


物語は、まめの好きな相手「聡太」の最愛の人の一周忌からスタートします。
好きな相手が、フリーにはなっていて。
聡太の娘からも、お母さんになって欲しいと言われるくらい好かれていて。
条件的には、揃っていました。それでも、想いは届かない。


好きになったのは、中学生の時。
いや、もっと前から好きだったのかもしれませんが、告白したのは13歳の時でした。


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返ってきた言葉は、ありがとう。
しかし翌日に見た光景は、女性と仲良く手をつないでいる聡太の姿でした。


数年後にもう1回告白し、それでも届かなくて。
最後の告白は、言わずに終わってしまいました。
「結婚することにした」


その言葉に、全てを飲み込まれて。


30歳。
1つの節目の年であり、まめの同級生たちも、続々と結婚していきます。
それでも近所のお兄ちゃんに、しつこく片想いしてしまう。


脈がないと、面と向かってはっきり言われても。


呼ばれた結婚式で、涙をこらえてローストビーフを食べたとしても。
それでも、好きという感情は消えてくれません。
諦められない気持ちが、彼女の中には確かにあって。


その切なさに、年甲斐もなくキュンとなってしまいました。

30歳の、ピュアな恋


大人になったら、思春期の頃のようなキラキラした恋ではなく、色々な要素が絡んだ打算的な恋が多くなっていく。
そんなイメージを、この作品は知らないとばかりに壊していきます。


まめの恋は、いじらしいほどピュア過ぎて。


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好きな人のいつもと少し違うおどけた仕草に、どうしようもなく悶えたり。
普段の立ちふるまいは落ち着いているだけに、聡太が絡んだ時に見せる反応が実に乙女過ぎて困る。


聡太の一挙一動に反応し、そのたびにまめから「聡太が好き」という感情が溢れる。
なんていじらしい恋なんだ。


酔った時、聡太に運んでもらい、自然と感じる体温。
忘れられないよね。
だって、ずっとずっと好きな人の体温なんだから。



いや、困った。
30歳の女性の片想いが、こんなにピュアなんて。
それでいて、作品全体の落ち着いた雰囲気と絶妙にマッチしている。
面白くて、困っちゃうなあ。こじらせそうです。


こいいじというタイトルが、実にしっくりくる作品でした。
いじらしい恋の行方を、もう見守るしかない。

淡島百景 1

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娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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